親亡き後対策例のまとめ【誰でもできる相続・遺言・施設契約のポイントを解説】

障害者の将来(親なき後問題)

親亡き後の対策について誰にでもできる方法を解説します!

親亡き後問題とは、親が亡くなった後の子に巻き起こる種々の問題についてを言い、主に知的障害者や精神障害者、引きこもりの方についてを指すことが多いです。

親亡き後の問題については、親が生きている間に対策を取れることが多いため、対策をとっているかいないかによって大きな差が出ます。

親亡き後対策をとる専門家

今回は、親が生きている間に取っておける対策について、誰にでもできるといった視点で解説をしていきたいと思います。

誰にでも取れる親亡き後対策の例

今回解説する「誰にでも取れる親亡き後対策」の例は以下の通りです。親亡き後問題に対する対策は様々なものがありますが、今回は比較的簡単にでき、さほどコストがかからない対策方法についてピックアップしました。

  1. 遺言による対策
  2. 相続での対策
  3. 福祉サービスを継続利用するための対策

遺言による対策

まずは遺言による対策です。

自筆証書遺言の書き方

今までは、遺言を自分で作ることは大変ハードルが高いとされていました。

なぜなら、自筆証書遺言という自分で遺言を作るといった方法を取った場合、その遺言自体が無効となってしまうことが多かったからです。

自筆証書遺言が法的に有効となるためには、一定の様式が必要となります。その様式を守らずに自筆証書遺言を作成してしまうと無効となってしまうのです。

しかし、令和2年7月10日から、法務局による遺言書保管制度が始まりました。

法務局が自筆証書遺言の様式を確認した上で預かってくれるのです(内容は関知しません)。

これにより、自分自信で遺言を作成することが比較的容易となりました。今後自筆証書遺言の作成数は増加していくことが見込まれます。

【自筆証書遺言の保管制度の活用についての記事はこちらをご参照ください】

自筆証書遺言保管制度の活用で成年後見人がいらなくなる?【障害者や認知症の相続対策】
認知症や障害者の相続対策として最も簡単で有効なのは自筆証書遺言保管制度を活用して遺言を書いておくこと! 認知症や障害者の方が相続人にいる場合、被相続人となる者が生前に自筆証書遺言を残しておくことによって成年後見人を選任しなくても良いことがあ

遺言の内容はどのようにすれば良いか

では、遺言によって親亡き後対策を取るにはどうすれば良いでしょう。

その対策方法は家庭によりそれぞれ違いがありますが、大きな指針としては「(重度の)知的障害者や精神障害者の子にはできるだけ財産を残さない」ということが言えます。

「残さない」と言っても、子が一人残されてしまう場合はその方法は取れません。他の兄弟や親戚などが本人の面倒をみることができるという前提が必要です。

家族や親戚が障害者の面倒をみる

例えば、両親が亡くなって健常者の兄と重度の知的障害者である弟二人が残された場合、遺言の内容は「兄に全財産を相続させる」旨のものとします。

※相続税の障害者控除を利用する場合は弟にも一定の財産を残す必要があります。

相続税の障害者控除を受けるために財産を分ける場合は現金が良い?
相続税の障害者控除は非常に強力な制度であり、その活用は必須と言えるでしょう。しかし、障害者控除を受けるためには対象となる障害者への相続分を0にしてはなりません。ここでは、障害者控除を受けるためには現金が良いという理由について解説しています。

そして、弟の生活費等は兄に支出してもらうようにするのです。

そうすれば両親が残した財産は流動的になり、すぐに使うことができます。遺言を残さなければ、成年後見人をつけて相続を行うよう強いられ、財産が事実上凍結してしまうこともあるのです。

相続での対策

前述したように、親が遺言を残さなければ相続手続で成年後見人が必要となってしまうことがあります。

成年後見制度を利用した場合、原則一生辞めることはありませんので、成年後見報酬を払い続けていくことが必要となります。

一生辞められない成年後見人

親亡き後でも他の兄弟や親族が本人をみることができるのに、成年後見人をつける場合はデメリットもありますので、できれば成年後見人をつけたくないと考える人も多いでしょう。

親亡き後に成年後見人をつけないで相続をするには、そのリスクを十分に理解した上で障害者に理解のある専門家に依頼することが必要となります。自分の考えだけで行おうとすると思わぬ失敗をすることもありますので注意が必要です。

【成年後見人をつけない相続についてはこちらの記事をご参照ください】

成年後見人をつけない相続
「成年後見人をつけない相続」の記事一覧です。

福祉サービスを継続利用するための対策

親亡き後に福祉サービスの利用を継続する場合には、成年後見制度の利用が必要な場合があります。

典型例は下記の2点です。

  1. 親亡き後に本人の面倒を見る者がいない場合
  2. 福祉施設が本人の家族の代理契約を認めない場合

上記1の場合、本当に成年後見人の必要性に迫られている状況と考えられるため、できるだけ早く信頼できる成年後見人候補を探す探すことが重要です。

しかし上記2の場合は、例えば親戚などが近くにいて本人の面倒を見ることができるが、福祉施設が本人の代理で福祉サービスの契約を行うことを認めてくれない状況などです。

成年後見人なしで福祉施設との契約を行う

本人をみる者がいるのにも関わらず成年後見人の選任が必要となってしまうと何かと不都合があります。

その際は、福祉施設への理解を求めることが重要となります。

【成年後見人をつけずに福祉サービスの利用を継続するための対策についてはこちらの記事をご参照ください】

親亡き後に成年後見人をつけずに福祉サービスの利用を続ける方法
親が亡くなった後に成年後見人をつけずに福祉サービスの契約を続ける方法 福祉サービスを利用している成人の知的障害者や精神障害者の両親が亡くなった場合、福祉サービス機関から成年後見人の選任を求められることがあります。 そもそも厳密に言えば、今ま

誰でもできる親亡き後問題の対策についてのまとめ

親亡き後に残された家族が困らないために誰でも行っておくことができる対策は以下の通りです。

  1. 自筆証書遺言で相続分を調整する(ただし相続税の障害者控除を使用する場合は本人の相続分を0にはしないこと)
  2. 成年後見人をつけずに相続を行うことができるのかできるのかを障害者に理解のある専門家に相談する
  3. 福祉サービスの代理契約ができる親族を確保し、福祉施設へ理解を求める

その他「家族信託の活用」や「親の作った子名義の貯蓄用通帳からの預金移転」などを行うことで対策を取ることもできますが、親亡き後問題の対策については自分だけで考えず、障害者に理解のある専門家とともに考えることが必要です。

行政書士花村秋洋事務所では、障害者に理解ある行政書士が対応にあたりますのでご安心ください。早めの対策が残された者の保護や負担の軽減に直接的につながることになりますので、ご両親がお元気の時からご検討いただくことをおすすめします。

成年後見制度を利用する前にぜひ一度ご相談を!新たな方法をご提案できるかもしれません!
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