家族が後見人になるのは絶対にやめたほうが良い?【大きな負担を背負うことに】

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障害を持った方の親や兄弟などが成年後見人に就任するのはやめたほうが良い?

障害を持った方の成年後見人として、その親や兄弟が就任するのはよくある事です。しかし、そのパターンでの成年後見制度の利用はよく考える必要があります。

例えば、家族が成年後見人になった場合、その家族はどんな想いを持って成年後見人につくつもりだったのでしょうか。

自由に財産を処分することは出来ない

まず、「可愛い子のために成年後見人になったのだから子のために財産を使いたい」。こう思って成年後見人になったご家族が多くいらっしゃるかと思います。

家族

しかし、被後見人の財産はなかなか思ったように使えないものです。

「子のため」に使える財産は制限されます。成年後見制度は「子の生活のため」の財産処分が優先されるからです。

そのため、子のために使用したと思った財産の処分が認められなかったり、家庭裁判所にクレームをつけられたりして家族がストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。

不正な処分とみなされてしまうことがある

成年後見人の不正な財産処分についてのニュースを見たことがあると思います。

成年後見人にかかる多額の報酬

報道されるのはいわゆる「専門家の横領事件」ですが、実は成年後見人等の不正な財産処分として圧倒的多いのが「家族後見人等」なのです。

もちろん、家族が本人のために財産を管理しているわけであり、不正の意思を持ってする処分などほとんどないと思われます。しかし専門家後見人よりも圧倒的に多いのが家族後見人という実情があります。

これは「知識や認識の不足」が理由であると考えられます。

家族が成年後見人等につく場合、ほとんどの家族がやむを得ず就任するといった状況であると思います。

「私は昔から成年後見人になるために勉強してきたんだ!」という方などまずいません。そのため、成年後見制度についての知識や認識が不足しているのです。

成年後見制度の利用は、それまでの家族環境を大きく変えます。

今まで行われてきた「家族間の融通」など許されません。本人の口座に入った障害年金は家族の収入と完全に切り離されます。

そのため、「自分が建て替えておいた旅行代を子の口座から引き出す」なんてことは簡単には出来ません。

今まで行えてきた当たり前の財産の処分が「不正処分」として家庭裁判所に指摘されることの切なさは家族後見人に特有のものかもしれません。

ほとんどの場合後見監督人の監視を受ける?

また、誰かに財産の管理を監督されるのが嫌だからといった理由で家族が成年後見人に立候補することも考えられます。しかしこれも思ったようにはいきません。

なぜなら、家族が成年後見人等についた場合、「後見監督人」がセットでつけられてしまう場合が多いからです。

「第三者に家庭に入られたくない」という希望で家族が成年後見人等に就任したのに、後見監督人がつけられてしまうと本末転倒です。

さらに後見監督人には報酬を支払わなければなりません。

当然成年後見人への報酬よりは低い額となりますが、「成年後見人報酬を第三者に支払いたくないから家族が成年後見人に就任した」といったケースだとこれも納得のいかないものとなってしまいます。

成年後見事務は想像以上に大変!

成年後見事務を「今までの延長」ぐらいにしか考えていない方は、後に苦労してしまうと思われます。

「法は家庭に入らず」という格言がありますが、この格言を覆してしまったのが成年後見制度。本人保護を最優先に考えるため、家族間の曖昧な財産の融通などは通じません。

実の子の財産管理とはいえ、厳格に金額を記すことが必要となりますし、少しでも計算が合わなければ家庭裁判所から指摘を受けてしまいます。

この細かい事務は、家族にとっては大きな負担となってしまうことでしょう。

安易に家族後見人になることは避ける!

以上のことから、「他人に監視されたくないし、お金もかけたくないから自分が後見人になる」とお考えの方は、もう一度成年後見制度等について調べておく必要があるかもしれません。

また、「相続に必要だと言われたから必要ないと思っているけど仕方なく自分が後見人になる」とお思いの方も、検討が必要です。

なぜなら、ケースによっては成年後見制度の利用をしなくても済む場合があるからです。

当事務所では、「相続に必要だから」成年後見制度の利用を開始しなければならないといった場合、成年後見制度を利用しない方法などが無いか、ご家族と共に考えていきます。

有料ではありますが、障害を持った方の相続とその将来を考える「障害者相続カウンセリング」なども行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

成年後見制度を利用する前にぜひ一度ご相談を!新たな方法をご提案できるかもしれません!
お手続きの流れはこちらから
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