認知症の方が遺言を残すのは大変!
認知症の方が遺言を作りたいと思った場合「意思能力」が問題となります。
明確な意志を持ち、誰に何をあげたい(継がせたい)か、誰に手続きをさせたいか、などを決めなければなりません。
その意志があいまいだったり、不正確であったりすると、その遺言は「無効」となってしまいます。
そのため、認知症の方が遺言を作成するには大きなハードルがあるのです。
認知症の方が遺言を作成する場合の注意点
認知症の方が遺言を作成する場合には、多くの注意点があります。
例えば、
- 自分が現在持っている財産を把握しているか
- 家族の名前と続柄を認知しているか
- 誰に何をあげるかが明確になっているか
- 決めなければならないことが分かっているか
などです。
これは認知症の無い方でも同様の事項なのですが、認知症患者の場合、これらの点が不明瞭であるために遺言を作成することができない、または間違った遺言を作成してしまうことが多いです。
また、公正証書による遺言を作成する場合、実質的に遺言が作成できるかできないかは、作成者である公証人の判断によります。
実際に対面した公証人が、遺言者に意思能力が無いと判断した場合は、そこで作成過程は中断となってしまいます。
特に認知症の方で問題となるのが「知らない他人に囲まれて本来の自分が発揮できないこと」です。
公証人はおろか、証人でさえ赤の他人であることが多いため、認知症の方にとってはマイナス要素しかありません。
その中で遺言案と実際の話に食い違いが出てしまい、公証人に「遺言の作成不可」と判断されてしまうのです。
当事務所の「認知症の遺言作成」についての方針
当事務所では、長年認知症患者のいる現場で介護・支援業務を行ってきた行政書士が遺言作成に対応します。
そのため、その人個人の認知症の種類や程度について判断し、遺言内容を検討することが可能です。
認知症の程度により、どの内容であれば作成可能なのかを依頼者の方を交えて検討を加え、遺言案を作成いたします。
また、公証役場での遺言作成においては証人として同席することも可能です。証人が遺言者に関与することは認められていませんが、どの程度の配慮までが可能かを公証人と打ち合わせし、できる限りのサポートを行います。
例えば公正証書遺言作成の場での服装について、施設で遺言作成をする場合には、証人2名が施設スタッフのような服装で臨むこともあります。
介護施設においては何人ものスーツ姿の職員が居室に入ってくることなどあり得ません。
本人ができる限りリラックスして臨めるよう、可能な範囲での配慮を考えます。
もし遺言案での作成が不可能であった場合には、遺言者等が希望すれば、内容を変更して再度作成に臨むということも行っています。
当事務所の「認知症の遺言作成」についての詳細
認知症の遺言作成サービスの内容
遺言者またはそのご家族との打ち合わせ
・遺言者の症状の確認
・希望の遺言内容の確認および可能性の検討
・必要書類の収集
(公正証書遺言の場合)公証人との打ち合わせ
・遺言案の検討
・遺言作成場所の検討
・本人の症状と意思能力についての確認
・事前資料の提出
・日程の調整
(公証役場での証人希望の場合)証人として遺言作成の場への立会
認知症の遺言作成サービスの報酬
基本料金:180,000円~+税(内容によって変わります)
証人(1名追加):10,000円+税
出張費:別途お見積もりさせていただきます(全国対応・自宅・病院・施設どこでも対応可能です)
(遺言が作成できなかった場合)再度作成:50,000円~+税
認知症の遺言作成サービスについての注意点
認知症の方の遺言作成については、原則「公正証書遺言」で行います。公正証書遺言であれば、遺言が作成できた時点での証拠力が自筆証書遺言よりも大きく勝るからです。
ただし、公正証書遺言での作成が困難な場合に限り、自筆証書遺言での作成サポートも行います。
その他
・成年後見人、保佐人、補助人がついている方の遺言作成についてもご相談ください。