ひとりっ子の親なき後対策のポイント【最終的な財産の帰属先は?】

障害者の将来(親なき後問題)

ひとりっ子の親なき後対策の検討はより難しい

障害のある子に兄弟がいない場合、即ち「ひとりっ子」である場合の親なき後対策は、兄弟がいる場合よりも検討するべきことが多くあります。

まず親なき後にその子がどのように生活していくかを予測した対応が必要になるということです。

また、相続人がいないことによる財産の最終的な帰属先についても考える必要があります。

そのため、その子の障害の程度や、家族構成および親族構成、また財産の種類などをしっかりと把握した上で検討を重ねる必要があるでしょう。

今回は、子に兄弟がおらず、ひとりっ子という状況での親なき後対策のポイントについて解説していきたいと思います。

一人っ子の親なき後対策の検討ポイント

まず、一人っ子の親なき後対策を考える上で、重要となるポイントを挙げていきたいと思います。

もちろんその家庭ごとに考えるべきことは異なるのですが、典型的なポイントについて解説します。

親なきあとの子の生活場所

現在、子が家族とともに暮らしているか、入所施設で暮らしているか、そして親が亡くなった後はどうなるのかについては非常に重要なポイントです。

大きく2種類に分けると「一人暮らしができるか否か」です

一人暮らしができる能力がある場合は「お金の管理ができるか否か」という分岐点に分かれます。

入所施設やグループホームでの生活となる場合は、お金の管理についてはどちらにあっても大きく影響は無いでしょう。

一人暮らしが可能な場合

一人暮らしが可能な場合のポイントは「お金の管理ができるか否か」です。

主な収入は「障害年金」と「就労による賃金または工賃」となり、主な支出は「福祉サービスの利用料」、「家賃」、「光熱費」、「食費」などになります。

収入については自動的に自分の通帳に振り込まれますから問題は無いと思います。

支出については、できる限り自動引き落としにすれば手続きは簡単になりますが、食費などについてはやりくりをしなければなりません。

親が生前に世帯の光熱費や家賃を子の口座から自動引き落としにしておくのはなかなか難しいと思いますので、親が亡くなった後、自分で行うか成年後見人等に行ってもらう必要があります。

お金の管理ができない場合

自分で収入と支出の管理ができない場合、誰かに支援してもらわなければなりません。

親戚が近くにいる場合は、その者にサポートしてもらえる可能性があります。

その場合、親の財産を信託することによって親戚が受託者となり、子が受益者となる契約内容にすれば、適切に財産を管理してもらえるでしょう。

信託という仕組みを使わない場合は、遺言により親戚に財産を渡し、子のために使って欲しいとお願いしておくこともできますが、その親戚がどうするかの保証はありませんので、親戚との信頼関係により、どのような形を取るかを考えると良いでしょう。

頼れる親戚がいない場合は、社会福祉協議会の財産管理支援サービスを利用することで毎月のお金の管理ができる可能性があります。

福祉サービス利用援助事業:あんしんサポートねっと|埼玉県社会福祉協議会

このサービスを受けるには社協との契約が必要になりますので、親が生きているうちに相談しておくと良いでしょう

「浪費」を防止するのはなかなか難しい

成年後見人等をつけずにお金を管理していく場合、「浪費」を防止するのはなかなか難しくなります。

通帳から自由にお金を下ろせる状態であると支出に歯止めが効かなくなることもありますし、信託を用いた場合も生活費として受託者から支払われたお金が計画的に使えないと、食費が無くなって健康面に影響が出てしまうなどといったリスクが生じてしまいます。

本人がお金に対してどこまでしっかり考えられるのかという点は、親が生前からチェックし、指導していくことが重要になります

不動産の管理をどうするか

子がどこで生活していくかに関わらず、不動産の管理が問題となることがあります。

賃貸物件であれば、直接不動産を管理することはないのですが、親が一戸建てや分譲マンションを所有していた場合、その管理をどうするのかの対応に迫られます。

親が生前に信託財産にしておくか、遺言の中で遺言執行者を指定し、その者に手続きを託すという選択肢になるでしょう

例えば子が施設で生活している場合、遺言執行者に不動産の売却手続きを任せて売却代金を子の財産に振り込むという形を取れば無駄にはなりません。

親が生前に何も対処していなかった場合は、子としては不動産をどのように取り扱えば良いのか混乱してしまう可能性があるでしょう

財産の最終帰属先を決めておく

相続人無くして亡くなった者の財産は、最終的に国庫に帰属します。

そのため、それをもったいないと感じてしまう方も多いでしょう。

相続財産をある程度使い切った後に亡くなるのであれば、その感情も少なくなると思うのですが、障害年金等で毎月の生活費の大半を賄えていた場合、ほとんど財産を使うことなく亡くなってしまう可能性が大いにあります

国に渡るなら誰かにあげたいと考える人は、親の世代から対策を取っておかなければなりませんので、以下にその方法を紹介します。

信託で第三者に財産を渡す

信託財産の内容として「受託者(障害のある子)が死亡したときは信託財産は〇〇に渡る」と設定することが可能です

この第三者は信託者の任意で決められるので、個人はもちろん、法人を設定することもできます。

そのため子が利用していた福祉サービスの提供法人などに最終財産を渡すケースもよくあります

親が生きているうちに信託財産の最終帰属先までを含めた信託契約を設定することが必要となるため、親が亡くなった後では行えません

また信託財産以外の子の財産も存在しますが、その財産については帰属先を指定することはできません。

遺言で第三者に財産を渡す

親が遺言で親戚や知り合いなどの第三者に財産を渡し、子のために使ってもらうという形も可能だということは前述しましたが、このような形を取った場合の財産はそのまま第三者に帰属します。

そのため最も手軽で簡単な方法と言えるでしょう。

しかし先述したように、その財産がどのように使われるかの保証はありません。

障害年金等の給付金の受給権者が子であることは覆しようがないため、その収入で生活が送れる見込みである場合は比較的不安なく当該手段が取れるかもしれません

また、子の成年後見人になって欲しいという希望を伝えておき、その見返りとして相続財産を譲る旨を明確に伝えておけば協力を得られる可能性も高まるでしょう。

しかし信託と同様、子独自の財産については国庫に帰属してしまうことになります。

ひとりっ子の親なきあと対策は親次第!

以上、ひとりっ子の親なきあと対策について解説させていただきましたが、このテーマは親がどのように考えるかに委ねられています

親に様々な希望があればできるだけ理想に近づけることは可能ですが、それを行わなかったとしても子の生活が脅かされる可能性は低いと言えます。

最悪でも「成年後見人をつけて生活保護を受給しつつ施設生活を送る」ということまでは保証されていると言っても良いでしょう

しかし子の障害や性格を本当に理解できるのは親だけです。

親が生きているうちにのみできる親なきあと対策については、一度は考えてみても良いのではないでしょうか。

当事務所では、あらゆるケースにおいての親なきあと対策についての相談をお受けしております。

有料(22,000円)にはなりますが、福祉現場で20年の経験がある行政書士が対応いたしますので、ぜひ「親なきあとカウンセリング」のご利用をご検討ください。

【動画での解説】

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