成年後見人を立てずに生活が送れるかどうかは福祉施設の判断次第?

障害者の将来(親なき後問題)

利用している福祉施設の対応次第で成年後見人を立てずに生活を送っていくことができる訳

成年後見人を立てずに相続手続が行えた場合、次に大きなハードルとなってくるのが「福祉サービスの契約」です。

福祉サービスの判断

実はこの問題は非常に重要で、福祉施設によって対応が違うという現状があるため、利用している福祉サービス次第で家族の状況ががらっと変わってしまうことがあるからです。

今回は、障害のある方が利用している福祉施設や福祉サービスの対応次第で成年後見人の必要性の有無が変わってしまうといった例をご紹介します。

まずは成年後見人を立てずに相続を行うこと

母と兄と弟の三人家族。弟に重度の知的障害があり、父はすでに他界しています。

父が亡くなった時に成年後見人を立てずになんとか相続を行いました。

成年後見人を立てずに相続を行った

母と兄の想いとしては、相続を行うためだけに成年後見人を立てることは望んでいません。家族が十分に弟の面倒をみることができますし、弟はまだ40歳と若く、成年後見人を立ててしまうとこの先何十年も高い報酬を支払い続けなければならないからです。

父の相続手続が一段落し、父の財産を計画的に引き継ぐことに成功しました。

重度知的障害者の一般的な福祉サービスの利用状況から

重度の知的障害がある場合、福祉サービスを利用していることが多いです。

生活支援施設やグループホーム、作業所などに通所や入所をして生活上や勤労に関しての支援を受けています。

福祉施設の利用

今回のケースでは、弟は入所型の生活支援施設を利用していたとします。母が月曜から金曜まで弟を施設に通わせ、土日は自宅で一緒に生活をしていました。

弟の通所サービス利用契約や支援計画は、弟名で母が署名押印を行っています。これは現在の福祉サービスの利用方法としては一般的です。

本来は弟が20歳以上であり、弟自身で福祉サービスの契約行為自体が出来ない場合は成年後見人を選任する必要があります。しかしそんなことをしている家族はまずいません。

福祉施設も親が本人名で契約を行うことを黙認しています。それが一般的なのです。

母が亡くなった時に状況が変わる場合がある

そしてとある日、母が亡くなりました。

兄は今回も成年後見人を立てずになんとか相続手続を終わらせました。弟はまだ45歳と若く、成年後見人を立てずに生活を行えれば多額の費用をカットできますし、第三者の介入も防ぐことができるからです。

成年後見人を立てずに生活を送る

そして、ここから福祉施設の対応により成年後見人の必要性の有無が変わってきます

成年後見人を立てないと福祉施設の利用継続ができないと言われてしまった

弟の福祉施設の利用契約は母が行っていましたので、母の代わりに兄が行うことになりました。

しかし兄は家族を持っているため、弟と一緒に生活を送ることができません。そのため、入所型の施設を新たに契約することとなりました。

入所型の福祉施設

幸いすぐにちょうど良い入所施設が見つかりましたので、兄が入所の申込みを行いに行きます。すると、施設の職員から次のようなことを言われました。

「入所するには成年後見人をつけてください。」

本人が入所契約を行えないため、成年後見人を立て、その成年後見人が契約を行ってくれと言うのです。

成年後見人を立てずに福祉施設の利用を継続できることもある

上記の例で、兄が弟を引き取り、一緒に住むことになりました。

そして通所型の施設を継続して利用します。今後は兄が弟名で契約を行ったり、支援計画のサインを行ったりすることを施設に認めてもらえました。

福祉施設の契約

兄と弟は成年後見人を立てずに生活を送ることができ、結果的に弟が先に亡くなったため、最後まで成年後見人を立てることはありませんでした

福祉施設に成年後見人が必要と言われる場合と言われない場合の考察

以上、2パターンの例をご紹介しましたが、福祉施設の対応次第で成年後見人の必要性の有無が変わってくることがあるということが分かっていただけたと思います。

それでは、なぜ福祉施設が成年後見人を求めてくる場合とそうでない場合があるのでしょうか。

家族が契約を行うことを認めているという福祉業界の通例がある

そもそも法的なことを言えば、契約行為を行えない者が20歳になっている場合、福祉サービスの利用契約には成年後見人等が必要となります。

しかし、福祉業界ではその時点での成年後見人は求めません。そんなことをしたら福祉サービスの円滑な利用など行えなくなってしまうからです。

成年後見人を立てずに相続を行い明るい未来を

親や家族などが代わりに契約(本人名で家族がサインを行うこと)を認めています。法律上は問題がありますが、福祉業界の通例では問題としていません

福祉施設が成年後見人を求めてくる判断基準

それでは福祉施設はどんな時に成年後見人を求めてくるのでしょうか。実は福祉施設の判断基準は非常に曖昧です。

親はOK、兄弟はNG!

親であれば本人に変わって契約を行えたのに、兄弟の場合にNGとなることは考えられます。これは「法定代理人」のイメージがあるからでしょう。その他「叔父・叔母」、「甥・姪」についても施設の判断に任せることとなります。

同居はOK、別居はNG!

障害のある本人と家族が同居している場合は契約が行え、別居している場合は契約がNGとなるのは十分ありえます。本人が一人で暮らせない場合は契約がどうこうという話にはならないでしょうから、入所施設の場合の問題となるでしょう。

成年後見人を立てずに生活を送るためには家族の協力が不可欠となる!

以上の考察から、多額の報酬を支払いたくないから成年後見人をつけずに相続が行いたい、というだけではなかなか難しいと思います。せっかく成年後見人を立てずに相続を行ったとしても、すぐに成年後見人が必要となる場面が出てきてしまいます。

成年後見人を立てることが必要となる

最後まで家族で本人を大事にみていく、その想いがあるのであれば成年後見人の出てくるタイミングを遅らせる、または無くすことは十分可能だと思います。

現在のご本人とそのご家族の状況、そして将来の計画をしっかりと考えた上で「成年後見人を立てない相続」を考えることが必要となるでしょう。

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