親なきあと対策総まとめ!能力と状況によって対応方法は様々

障害者の将来(親なき後問題)

親なきあと対策は本人の能力と状況によって違ってくる

親なきあと対策というのは、一般的に「障害またはその他の理由により、成人になっても親が支援を行っている家庭の、親が亡くなったあとの子に対する対応策」を言います。

しかしひとえに親なきあと対策と言えども、何を行うことが有効なのかはそれぞれの家庭によって違います

例えば、障害が重度である子と障害が軽度である子では家族信託の活用度は異なります。

また兄弟がいる家庭と一人っ子の家庭では、成年後見制度の利用の有無も異なってくるのです。

今回は、本人の能力や家庭の状況によって何が問題となるのか、何が有効となるのかを個別に紹介していきたいと思います。

能力と状況別対応策

親なきあと対策というのはどの家庭でもこれをやっておけば良いというものではなく、家庭の状況によってそれぞれ行うべき対策が大きく異なってくるため、実際は個別に判断を行う必要があります。

今回は主な判断基準となる「障害の軽重」「兄弟の有無」を以下挙げてみました。

もちろんその他の要因によっても対応策は異なってくるのですが、まずはこの2つのパターンで考えてみましょう。

障害が比較的軽度

遺産分割協議をできる能力が無ければ遺言作成を検討する

知的障害や精神障害が比較的軽度であれば、通常の遺産分割協議を行える可能性は高いと思います。

しかし意思能力に支障があると、遺産分割協議が無効となる可能性もあります。

意思能力の有無は、結局のところ医師の意見を元に「裁判所」が最終判断を下しますので、判断能力があるか無いかが宙ぶらりんの状態で相続手続きを行うこととなるのです。

意思能力が無いのであれば成年後見人等をつける必要があるのですが、片方の親が亡くなった段階で成年後見人等をつけることを望む親はほとんどいません。そうなると遺言を作成することを検討する必要が出てくるのです。

意思能力と遺産分割協議の関係、遺言を作成する場合の注意点を以下の動画で解説しています。

障害が比較的重度

貯蓄方法に注意

重度の知的障害者等に対して貯蓄を行うことに関しては、注意しなければならない点があります。

多くの家庭では「障害のある子の名義」で貯蓄を行ってしまっていますが、これは後々困ることになります

重度の障害がある子に対しての貯蓄の注意点については以下の動画で解説しています。

家族信託が有効でないケースがある

家族信託は結局のところ「自分自身でお金を所持し、使用することができる」という場合に有効な手段です。お金を自分で使うことができなければ家族信託を用いても有効な対策とならない場合があるので注意してください。

信託が有効でないケースの例は以下の動画で解説しています。

相続放棄が困難

重度知的障害者や重度精神障害者の場合、相続放棄を行うことも困難となります

離婚した配偶者に多額の借金があるが、子と共に相続放棄をすれば大丈夫と考えている方は注意が必要です。

相続放棄自体は可能なのですが、成年後見人をつける必要が出てきてしまうからです

前配偶者には遺言を残してもらうなどの対応を取っておかないと、相続放棄をするだけのために成年後見人が一生つくという事態となってしまいます。

以下の動画で相続放棄の注意点について解説しています。

兄弟(またはサポートができる親戚)有り

成年後見人をつけずに生活を送ることができる

親が亡くなっても兄弟がいる場合は、成年後見人をつけずとも生活を送ることができる可能性が高まります。

兄弟が本人と同居したり、近くに住んでいたりすれば本人のサポートを行えるからです。

しかし、遺言等の対策により、親の相続時に成年後見人をつけることを回避することができた場合にも、成年後見人がつくことになるタイミングがありますので、以下の動画で解説します。

兄妹(またはサポートができる親戚)なし(一人っ子)

自立生活を送ることが困難な場合には、親が亡くなった後に成年後見人等をつけることが一般的

両親が亡くなった後、自立生活を送ることが困難な場合には、成年後見人等をつけることが一般的ではありますが、必ず必要となるわけではありません。

訪問サービス日常生活自立支援サービスを利用することにより、福祉サポートを受けながら一人暮らしを行うという選択肢もあるかもしれません。

しかしながら、サポートを受けても一人暮らしが行えない、障害の程度が非常に重度である場合などは成年後見制度の利用が必要となるでしょう。

成年後見制度の問題の一つは「制度自体を理解しないまま申し立てを行ってしまう」ということです。

他人に進められるがまま成年後見等の申し立てを行ってしまい、後悔している人が多くいらっしゃいます。

成年後見人をつける以外の手段は無いのか、成年後見人はどのようなデメリットがあるのかを理解した上で申し立てを行うことが重要となるでしょう。

成年後見人のデメリットや注意点等は以下の動画で解説しています。

どのような親なき後対策が必要なのかは色々な要素が関係してくる

以上、状況別の親なき後対策を例示してきましたが、さらに色々な要素が関係してくるでしょう。

例えば障害年金の受給の有無就労の有無給与の金額残せる資産本人や兄弟の意思などです。

当事務所ではそれぞれのご家庭の状況やお子さんご本人の能力に合わせた対策方法をご紹介しております。

対面による面談は有料とはなりますが、簡単なご質問等はメールやお電話にて無料に行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

成年後見制度を利用する前にぜひ一度ご相談を!新たな方法をご提案できるかもしれません!
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