専門職の成年後見人を家族に交代する方法【実例で解説!】

成年後見人をつけない財産管理

成年後見人は簡単に交代することはできない!

成年後見人は一度つくとやめられないという話をよく聞きます。

確かにR8現在では成年後見人がついた場合、一生涯そのままであることが多いと思います

もちろんそれは全てが全てではありません。

成年後見人が外れたり、交代することは法律上当然にあり得ることとされています。

しかし市民も行政も、専門家でさえつき続けることが当たり前だと思っている現状があるのです

家族は成年後見人になれない?

本来家族が望むなら、家族が成年後見人になることが理想なのかもしれません。

しかしそれが叶わない場合も多くあります。

例えば相続を原因として成年後見人をつけなければならない場面はしばしばあります。

その場合、家族が成年後見人になりたくても、家庭裁判所が認めてくれない可能性があります。

家族である成年後見人と同じく家族である成年被後見人が同じ「相続人」となるケースが多いため、利害が対立するのを避けるために第三者の専門家後見人がつくことが多いのです

そしてその専門家後見人は相続手続きが終わってもそのまま成年後見人となり続けます。

相続を原因としなければ家族が成年後見人になれたのに、意に反した状態が一生続いてしまうのです

相続が原因でも家族が成年後見人になれた実例

しかし相続を原因として第三者の成年後見人がついても、最終的に家族が成年後見人になれた例があります

実際に当事務所と当事務所の連携している司法書士で携わったご家族の例を紹介します。

ケース:夫が死去し、残されたのは「妻」と「重度知的障害の子一人」

子は重度知的障害のため、遺産分割協議ができませんでした

仕方なく成年後見の申立を行うことになりましたが、担当した司法書士がまず取った方法は「共同後見」です。

知らない方も多いと思いますが、成年後見人は一人でなくてはならないという決まりはありません。

一人の被後見人に対し、複数人が成年後見人になることも認められているのです。

しかし一般的には複数人で成年後見人になることは避けたほうが良い場合が多いです

例えば認知症の父親に対し、長男と次男が共同で成年後見人になったとします。

しかし長男と次男の意見が対立したらどうでしょう?

円滑に成年後見業務を進めていくのに支障が出てしまいます。

そのため、特別な理由がない場合、複数で後見人は家庭裁判所は認めてくれない可能性が高いと思います。

共同後見から相続手続き終了まで

こうして妻と司法書士が共同で子の成年後見人に就任しました

家族が後見人であった場合、そのまま遺産分割協議は行えません。

先ほど説明したように、妻と子は同じ相続人という立場になるため、家庭裁判所に特別代理人という者を選任してもらうか、後見監督人が選任されていればその者が行う必要があります。

しかし今回のケースでは、共同で司法書士が成年後見人になっているため、特別な手続きなく司法書士が子の代理人となって遺産分割協議が行えます

しかも司法書士は家族の事情をよく知っていましたので、子の利益を守りながらも家族が今後も円滑に生活を進めていけるよう遺産分割協議の内容を考えてくれました。

相続手続きが終了した後も、そのまま何もしなければ共同で後見業務を行います。

ここで司法書士が考えたのは「成年後見からの離脱」です

司法書士は妻の希望もあり、家庭裁判所に成年後見人の辞任を申し立てたのです。

もちろん成年後見人を辞任することは簡単にはできません。

しっかりとした理由が必要です。

司法書士は「相続手続きが終了した後の子には第三者の成年後見人は必要無く、母親のみが成年後見人に残るべきである。」ということを説明し、その理由は家庭裁判所に認められました。

最良の結果をもたらすには専門家の努力が必要

このように、相続手続きを行うために専門家を後見人にし、相続手続きが終了したら家族のみが成年後見人になるという最良の結果がもたらされました。

当該司法書士が「相続手続き~今後の家庭の生活」までを考えたうえで成年後見人となってくれたからです

もちろん全ての専門家がこのようなことを考えてくれるわけではありません。

生涯成年後見人になれれば報酬は一生続きます。逆に言えば成年後見人を辞任することは自分自身の不利益になるからです。

しかし中には家族の幸せを追求して家庭裁判所に折衝してくれる専門家も存在します。

家庭裁判所とのやり取りは大変時間も手間もかかりますので、専門家が積極的に動いてくれないとなかなか難しいでしょう。

当事務所の連携している司法書士は子のみでなく、家族全体の幸せを考えて行動してくれましたが、たまたま選んだ専門家がそのように動いてくれるという可能性は少ないでしょう。

相続で成年後見人をつけることを回避するには基本的には「遺言」しかありません

意思能力の無い方を相続手続きに関与させずに手続きを進めるには、遺言を作っておくしか簡単な方法は無いのです。

親が若くても、子が成人になったらすぐに遺言を考え、両親のどちらかが亡くなっても子に成年後見人がつかないような準備をしておきましょう。

成年後見制度を利用する前にぜひ一度ご相談を!新たな方法をご提案できるかもしれません!
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