親なきあととお墓の問題は家族状況によって深刻となる!
茨城県結城市にあるお寺「頼福寺(らいふくじ)」。
こちらのお寺は新たな試みとして、「親なきあと対応」を始めました。

親なきあととお墓の問題は、家庭の構成や状況によっては墓地や行政を巻き込むことにもなり、社会問題にもなっています。
今回は親なきあととお墓の問題の解説や、それに対応する頼福寺の取り組みについて紹介したいと思います。
親なきあととお墓の問題とは?
それではまず、親なきあととお墓の問題について説明します。
家族の構成や状況によって深刻となると言いましたが、問題となる条件は以下の2点です。
- 子が一人であり、意思能力に支障がある。
- 障害のある子以外にも子がいるが、女性である(または婿入している男性である)
要するに、子がお墓を承継・管理できない状況になる可能性がある家庭です。
もちろん、他家のお墓に入る人が実家のお墓を管理しても良いのですが、それが何代も続いていくといわゆる「負の遺産」になりかねません。
そのため、そのような家庭では「墓じまい」を考える必要が出てきます。

しかしひと言で「墓じまい」と言っても、考えなくてはならないことはたくさんあります。
墓石の撤去、離檀(今のお墓と縁を切ること)、お骨の受け入れ先、改葬の行政手続き、障害のある子の埋葬予約、永代供養の方法、遺言の作成等。
これらについて、子に障害があった場合には親が生きているうちにしかできないことが多く、もし生前に何もしなかった場合は、お寺や行政に負担を負わせ、また自身のお墓が無縁墓となるなど、なんとも淋しい状況となってしまいます。
そうならないためには、親の生前にしっかりと対策をしておくことが必要ですが、重要なのは「受け皿探し」ということになります。
墓の引っ越しや遺言による対策方法などをまとめてサポートしてもらえる全国対応の機関というのはほとんどないため、まずはそこを探すことから始めてみましょう。
頼福寺の取り組みとは?
それでは頼福寺はどのような親なきあと対応をしてくれるのでしょうか?
頼福寺の住職に色々と聞いてきましたので、その取り組みについて紹介していきます。
永代供養墓
永代供養の活用方法は人それぞれ違いますが、障害のある子のいる家庭での例は次のとおりです。
例)父、母、子一人(重度障害)の3人家族
父または母のどちらか一方が亡くなった後、現在のお墓をどうするかを考えます。
両親とも亡くなってしまった場合、子の埋葬手続きを行ってくれる者がいなければ、行政が何とかするしかありません。
またうまく現在のお墓に入ることができたとしても、その墓を承継する者がいないため、最終的に無縁墓となって撤去されてしまいます。
将来子の埋葬やお墓がどうなるか分からないまま亡くなるのは不安でしょうから、事前に永代供養の手続きをしておく必要があります。
そして親が生きているうちに現在のお墓を撤去し、永代供養墓へお骨を移します。

親が亡くなった後は、その永代供養墓に埋葬してもらい、その子が亡くなった際も同じ永代供養墓に埋葬してもらいます。
注意点としては、子の埋葬される場所を法的に決定できる権限は親にも無いということです。
しかし慣習的には親の墓に子が入るのは当然ですので、よほどのことがない限り、子も永代供養墓に入れると考えて良いでしょう。
「よほどのこと」というのは中々想像できませんが、仮にお金だけ儲けたいと考える者がいた場合、もっと高額な墓地に埋葬すべきと主張して仲介料などを取られるという可能性がゼロとは言えません(もちろんその者に法的な決定権などありませんが)。
ご不安であれば、遺言の「付言事項」の欄に子の埋葬先の希望を記載することもできますが、付言事項には法的効力は無いため、100%は対応できないというのが現状の法整備となります。

夫婦墓(仮称)
頼福寺で現在(令和8年)設置中なのが「夫婦墓」です。
これはどんなお墓なのかと言うと、文字通り夫婦二人用のお墓です。
これがなぜ親なきあと対策となるのかと言うと、頼福寺では障害のある子がいるなどの事情がある家庭であれば、特例でお子様1名まで夫婦墓に入れるそうです。
これにより前述した3人家族の場合のお墓が確保できます。
子のお骨が入り、一定期間が経過した後は永代供養に移行しますので、親が亡くなる際にも安心できると思います。
またこのお墓は法律上の夫婦だけでなく、同性婚や同性カップル、事実婚などの異性パートナーのお二人でも利用することができるのが特徴です。
ペット対応可
これは親なきあと問題とは直接関係ありませんが、頼福寺では各種のお墓がペット対応可となっています。
同じ敷地のペット用墓に入るわけではなく、同じお墓に入ることができるそうです。
障害のある子とペットが残された場合、ペットを看取ってくれる方がいれば、ペットの亡くなった後に一緒にお墓に入ることも可能です。
頼福寺を遺言執行者とすることも可能
頼福寺では、親の作成する遺言の執行者になってももらえます。
家族に遺言執行をできる者がいなかった場合、専門家を選びがちですが、その者が個人であった場合は先に亡くなっていると執行者が不在ということになります。
そうなるとせっかく作成した遺言が無駄になってしまう可能性もありますが、頼福寺は法人格があるため、現住職が亡くなっていてもお寺が存続している限り執行者はいなくなりません。
遺言には第三者委任事項(遺言執行者が専門家に委任できる)も入れますので、実質的には遺言執行が行えないという状況を無くすことができます。

頼福寺が主宰者となってお寺で葬儀が可能
また頼福寺を葬儀の主宰者にすることも可能です。
頼福寺ではお寺の本堂で葬儀が行えるようになっています。

そのため、上記の三人家族の例では、父が亡くなり、その後母が亡くなった際、親戚などで葬儀を主催してくれる者がいなくても(子に障害があるため葬儀を執り行えない)、住職が主宰者となり、埋葬までを行ってくれます(葬祭業者と連携の上)。
一人っ子の親なきあとには葬儀の主宰者不在の問題が大きいですが、頼福寺ではその点も解消してくれます。
遺言作成から永代供養までを準備して安心を得られるプランを
以上、親なきあと対策における頼福寺のユニークなサービスを紹介しました。
頼福寺では当事務所と連携し、障害のある方がいるご家庭の遺言作成から永代供養までをサポートしていきます。
現在お墓の承継は社会問題となっていますが、障害のある方がいるご家庭では、この問題に対応することが特に難しくなります。
ご夫妻が元気なうちに将来まで安心できる体制を整えておくことが必要ですので、お困りの方はぜひ当事務所にご相談ください。


