遺言作成に必要な書類は公証役場によって違う!【電子化に伴う混乱期?】

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公正証書遺言作成に必要な書類は公証役場によって異なる状況に

令和8年現在、公正証書遺言を作成するにあたっての遺言者が提出する書類は、公証役場によって異なるという状況になっています。

法律上の要件が整えば一律に作成できて然るべきと考えるのが普通かもしれませんが、公正証書遺言については公証役場によって取扱いがまちまちです

これは遺言手続きの電子化の流れによる一種の混乱期なのではないかと考えられますが、遺言を作るほうとしては戸惑ってしまうこともあるでしょう。

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今回は、多くの公正証書遺言作成に携わっている当事務所が、公正証書遺言を作るにあたって、遺言者が必要とされる書類について解説していきます。

基本的な書類は「財産の疎明資料」だが…?

まず必ず求められる書類についてですが、遺言者の現在の財産を疎明するに足りる資料です。

遺言に記載されている財産が本当にあるのか無いのかを公証役場が書類によって確認してくれるというわけです。

財産の疎明資料については、通帳のコピー株式の明細不動産の登記事項証明書などが一般的です。

しかしこれほど当てにならないものはありません。

なぜなら、遺言者が遺言に記載する財産しか明確にならないからです

例えば遺言の内容が「全財産を長男に相続させる」という包括的なものであった場合、一つの銀行の通帳のコピーを提出したとしても、その者の財産が他にあれば一部しか確認できていないことになります。

そのため、これは実際には公証役場で遺言作成手数料を算定する目安にしたいというのが本音だと思います

公証役場では、遺言者の額等によって遺言作成手数料を算定します。

そのため、できるだけ財産を具体的に挙げてもらい、そこから手数料を算定したいわけです。

実際に「全財産を〜」と記載した場合、遺言者が把握している範囲の財産の資料の提出を求められますが、必ずしも全て正確に提出しなければ違法ということにはなりません(ただし公証役場との信頼関係を壊さないようできる限り把握している財産全ての資料を提出する必要がありますが…)。

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通帳の提出ができない、したくないという方であれば、財産額をメモ書きにしたものの提出でも認められる場合があります。

本人確認書類は「顔写真入り」or「印鑑証明書」

次に本人確認書類ですが、こちらについても対応が変わってきます。

かつては公正証書遺言の作成には印鑑登録された実印の押印が必要でした。

そのため、実印と印鑑証明書を持参すれば、実印の確認と本人確認が同時にできたのです。

しかし現在では実印の押印は不要となっているため、印鑑証明書の提出は必須ではありません

となると、ほとんどの公証役場で求められるのが「顔写真入り」の身分証明書です。

顔写真入りの身分証明書として代表的なのは「マイナンバーカード」ですが、免許証や身体障害者手帳なども認められるところが多いと思います。

しかしこれも公証役場によって違いはありますので、実際に作成する公証役場へ事前の確認が必要です。

従来の印鑑証明書も本人確認書類になり得る

印鑑証明書でも本人確認書類として認めてもらえるところがほとんどだと思います。

しかし印鑑証明書と本人の整合を取るため、実印の持参も求められる場合があります。

「実印=本人しか持っていない」→「印鑑証明書と実印が同じ」→「間違いなく本人である」という確認をします

普段マイナンバーカード等を所持している方は、逆に持参品を増やすことになってしまうので、今後印鑑証明書で本人確認をする方は減ってくるのではないかと思います。

遺言作成日当日に原本は必要?

先述した身分証明書については、遺言作成日当日に原本を持参することが必要です

ではその他の書類まで原本が必要なのでしょうか?

これも公証役場によって異なりますが、私の経験上ではほとんどのところが原本の持参は必須ではありません

通帳や登記簿、納税通知書、戸籍謄本などの原本を持参しなければならないとすると、人によってはかなりの量になってしまいます。

また1枚足りないがために遺言の作成日を延期しなければならないとなると双方ともに負担となります。

しかし中には、戸籍謄本や登記簿の原本の持参を求めてくる公証役場もあります

そのため、この点も事前に公証役場に確認しておく必要があるため注意しましょう。

公証役場への手数料は現金払い?

公証役場へ支払う手数料はどうすれば良いでしょう?

公証役場によってはクレジットカード払いもあります。

公正証書遺言の作成手数料は財産額や内容によって異なるので、人によっては10万円を超えてきます(多いのは5万円〜10万円の間)。

その額を持参するのが不安がある方もいると思いますので、クレジットカード払いができるのはメリットです。

しかし公証役場では出張による作成も可能となっています。

公証人が病院や自宅などに出向いて遺言を作成してくれるのです。

この場合は現金のみとしている公証役場が多いようです

遺言作成に必要な各書類のまとめ

それでは公正証書遺言作成のために必要な書類の取り扱いについてまとめます。

戸籍謄本

必須。事前にコピーを提出している場合は当日の持参までは求めないところが多い

本人確認書類

マイナンバーカードor印鑑証明書or顔写真入り身分証明書の原本が必要。

ただし印鑑証明書は実印の持参を求められる場合がある。

通帳や株式明細

原本の持参まで求められる可能性は少ない(あくまでも自己申告なため)。

遺言内に口座番号等の詳細を記載している場合は、公証役場でも確認してくれるため、資料を提出した方が良い

不動産資料

登記簿(不動産全部事項証明書)および納税通知書(または評価証明書)が必要。

登記簿では記載事項が一致しているか、納税通知書等では評価額を基準として公証役場の手数料を確認するため。

当日の原本持参を求めるところもある。

公正証書遺言の作成は事前の打ち合わせが重要!

以上、公正証書遺言の作成には、多くの資料の提供を要するため、公証役場と事前に入念なやり取りを要することとなります。

当日の持参物を忘れたことにより、日程の再設定が必要になると双方ともに負担となります。

当事務所では、公正証書遺言の作成には「作成日当日」のみ遺言者本人が出向いていただくことのみで手続きが終了できるよう、遺言案の作成、必要書類の収集・支援、公証役場との遺言内容についてのやり取り、当日の証人(2名)、当日のご案内などをまとめて承っております

遺言は確実な公正証書で作りたいけど何から始めてよいか分からない、一人では不安であるなどとお考えの方は、ぜひ当事務所へご相談ください。

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