【クイズで学ぶ】成年後見制度のリアルな現実とリスク〜親なきあとに備える10の質問〜

成年後見人をつけない財産管理

障害のあるお子様を持つ親御さんにとって、「自分が亡くなった後、この子の生活やお金はどうなるのか」という「親なきあと問題」は大きな不安ですよね。

その対策としてよく耳にするのが「成年後見制度」ですが、実はこの制度、「良かれと思って利用したのに、家族が大変な苦労をしてしまう」というケースが後を絶ちません。

今回は、そんな成年後見制度のリアルな現実と、本当に必要な備えについて、10問の3択クイズ形式で解説します。ぜひ、ご家族で一緒に考えてみてください。

注)3択の選択肢の下にはすぐに解答が表示されていますので、スクロールを調整して挑んでください。

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第1問:成年後見人には、親や兄弟などの「家族」が必ず選ばれる?

  1. 必ず家族が選ばれる
  2. 家族は「候補者」になれるだけで、裁判所が決定する
  3. 家族は絶対になれない

以下解答

【正解】 2 解説: 多くの親御さんが「将来は親や兄弟が後見人になれば安心」と考えていますが、家族はあくまで「候補者」として希望を出せるだけで、最終決定権は家庭裁判所にあります。場合によっては、見ず知らずの第三者(専門職)が選ばれるリスクが十分にあります。

第2問:もし30歳で専門職の成年後見人がつき、80歳まで利用した場合、毎月2万円の報酬だと総額いくらかかる?

  1. 約120万円
  2. 約600万円
  3. 約1,200万円

以下解答

【正解】 3 解説: 若い頃から成年後見人をつけると、支払う報酬の総額は莫大になります。月2万円の報酬を50年間払い続けると、総額1,200万円ものお金が本人の財産から奪われることになってしまいます。

第3問:成年後見制度は、一度利用を開始したら途中でやめることはできる?

  1. いつでも自由にやめられる
  2. 家族が同意すればやめられる
  3. 原則として、一生やめられない

以下解答

【正解】 3 解説: 現行の法律では、一度成年後見人がついたら、本人の能力が回復しない限り、原則として亡くなるまで一生やめることはできません。相続の手続きのためだけに「一時的につけたい」と思っても、その後もずっと制度に縛られ続けることになります。今後制度の改正が見込まれていますが楽観視せずに状況を注視していきましょう。

第4問:成年後見人がついた状態で相続(遺産分割協議)を行う場合、財産の分け方はどうなる?

  1. 家族の話し合いで自由な割合で分けられる
  2. 本人の「法定相続分相当」の財産を必ず確保しなければならない
  3. 本人は財産を受け取れない

以下解答

【正解】 2 解説: 成年後見人は「本人の財産を守る義務」があるため、遺産分割協議では必ず本人の法定相続分相当の財産を確保しなければなりません。家族が「この不動産は健常な兄弟に相続させたい」と考えても、後見人が介入することで柔軟な遺産分割ができなくなるリスクがあります。

第5問:成年後見人が管理する本人の財産は、家族の生活費や家族旅行のために使える?

  1. 家族のためなら自由に使える
  2. 裁判所の許可があれば自由に使える
  3. 原則として、本人のためにしか使えない

以下解答

【正解】 3 解説: 成年後見制度は「本人の保護」が目的です。そのため、財産は本人のために厳格に管理され、家族の生活費など他の用途には使えなくなります。今まで家族単位で柔軟に回していたお金が、完全に分断されてしまうのです。

第6問:成年後見人の申し立ては、家族以外の人でもできる?

  1. 本人と家族しかできない
  2. 市区町村長など、一定の条件を満たせば家族以外でもできる
  3. 医師しかできない

以下解答

【正解】 2 解説: 成年後見人の申し立ては、本人や親族のほか、市区町村長なども行うことができます。そのため、家族が「まだ必要ない」と思っていても、知らないところで申し立てが行われてしまうリスクもゼロではありません。

第7問:成年後見人をつけずに相続手続きを行うために、親が元気なうちにできる最も有効な対策は?

  1. 生命保険にたくさん加入しておく
  2. 遺言を作成しておく
  3. 子供名義の口座に貯金をしておく

以下解答

【正解】 2 解説: 意思能力のない子が相続人になる場合、成年後見人を回避するための最も安価で確実な手段は「親の遺言」を作成しておくことです。遺言があれば、遺産分割協議自体を省略できるため、後見人をつけることなく手続きを進められる可能性が高くなります。

第8問:将来のためにと、障害のある子名義の口座に親が貯金を続けるとどうなるリスクがある?

  1. 子が自由に引き出せるようになる
  2. 障害年金が増額される
  3. 本人が管理できなければ「名義預金」とみなされ、親の相続財産として扱われる

以下解答

【正解】 3 解説: 子が自分で口座を管理できない場合、その預金は「名義預金」とみなされ、親が亡くなった際に親の相続財産(相続税の対象)として扱われてしまうリスクがあります。良かれと思った行為が無駄になってしまう可能性があるため注意が必要です。

第9問:成年後見人がついている人が亡くなった際、身寄り(兄弟姉妹やその子など)が誰もいなかった場合、残された財産はどうなる?

  1. お世話になった施設に寄付される
  2. 最終的に国庫に帰属する(国のものになる)
  3. 成年後見人がもらえる

以下解答

【正解】 2 解説: 法定相続人が誰もいない場合、その財産は最終的に国庫に帰属します。成年後見人がついていると、「生前にお世話になった人に遺贈(寄付)する」といった自由な財産の処分もできなくなるため、結果として国に没収されてしまうという不条理が起こり得ます。

第10問:親なきあとの生活資金対策として、ご家庭で今すぐできる最も簡単な方法は?

  1. 子の障害年金には手をつからず、全額貯金する
  2. 子の障害年金を率先して生活費に使い、親の財産を減らさないようにする
  3. 高額な民間の個人年金に加入する

以下解答

【正解】 2 解説: 障害年金は本人の生活のためのものです。親の財産を切り崩すのではなく、障害年金を積極的に生活費に充てることで、親の財産を温存することができます。これが、今すぐできる一番簡単で確実な親なきあと対策の一つです。

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まとめ:知識こそが家族を守る最大の武器

いかがでしたでしょうか。 成年後見制度は、本人の権利を守る強力な制度である一方で、ご家族にとっては大きな制限と負担を強いる側面があります。

「いつかは成年後見人を」と安易に考えるのではなく、制度のデメリットを正しく理解し、「遺言の作成」「日々のお金の回し方の見直し」など、今からできる対策を一つずつ始めていくことが、ご家族の安心できる未来に繋がります。

当事務所では、障害のあるご家族の相続や親なきあと対策に関するご相談を全国から承っております。「我が家の場合はどうすればいい?」と迷われたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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